超音波洗浄

めがね屋でめがねを超音波洗浄してもらった。


秋葉原ヨドバシカメラのめがね屋を通り過ぎた時のこと。
「どうですか?めがね洗って行きませんか?」
そんなに私の眼鏡が不潔に写ったのだろうか。しかしなんだか面白そうなので洗ってもらうことにした。


浴槽のような形の容器に水が張ってあり、スイッチをいれると水が波を立てて揺れ始めた。これが超音波らしい。この中に眼鏡のフレームを入れ、ゆすぐわけだ。
「これ、超音波ですからね。こうやって両端をもたないと駄目なんですよ」
そういっていきいきした店員は耳かけの部分を摘み、レンズを水の中へつけ、丁寧に揺らした。”めがねを洗う”という技術一つとっても奥深さを感じずにはいられなかった。きっとこの店員、めがねが大好きなのだろう。
「はい、これで大丈夫です」
そういって丁寧にめがねを返していただいた。そのめがねをかけてみた。どうだろう、視野のすっきりしたこと。なんという言葉で例えればよいだろう。もし自分が森の中に居たとしたら、見えなかったもの、例えばこだまなどが見えたことだろう。それぐらいクリアだった。地上波デジタルもびっくりの解像度である。
「何かめがねに関するトラブルありませんか?」
あまりにもめがねが生活に一体化していてそんなこと考えたことがなかった。”めがねは顔の一部じゃない”そんな歌詞のポップスもあったな、と感慨にふけりつつ、
「デスクワークが多いので目が疲れます・・・」
とめがねと関係のないことを言ってしまった。これが面接だとしたら間違いなくコミュニケーション能力がない、と判断されることだろう。
「あぁ、なるほど。1時間に5分ぐらい休むと良いですよ」
にこやかにそんなことを教えてくださった。知識としては知っていたけれども、私の場合、一度作業をやりだすとなかなか忘れてしまう。どうして忘れるのかなぁ、いつも。


この一連の流れ、もちろん無料だった。めがね屋はどこも気前が良い。例えば、自転車屋だったらパンクした時、確認するだけで500円とかぼったくってくる。めがね屋の場合、簡単なねじ止め、フレームがずれた際の矯正もやってもらったことがある。どうしてめがね屋は気前が良いのだろう。気になる。